愛知県銘木協同組合は、3月末で解散する予定で準備を進めており、最後の市売となる「さよなら特別市」が3日、同組合倉庫と土場で開かれた。
同組合は戦後間もない昭和22年以来、一貫して銘木の市売事業を続け、今年で59年目という全国でも有数の銘木市場の老舗。しかし、銘木資源の枯渇と需要の低迷という需給面での厳しい環境の中で「協同組合が運営する当地区での市売事業の役割に区切りが付いた」として組合を解散することになりました。
最後になった市には十年、二十年ぶりに訪れた買い方も多く、さらに当日参加保証金を新たに拠出して市に参加する業者も出るほどの人気。製品の最後となったケヤキ板のセリでは、感極まったセリ子涙ぐみ、立ち会った参加者から大きな拍手が沸き起こっていた。 |

最後の挨拶をされる丹羽理事長

早朝より多くの買い方でにぎわう
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活発なセリ売りを展開

製品最後のセリ風景 |


原木最後のセリ風景 |
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閉鎖奉告祭 |
3月9日小雨振る中を木魂塔の閉鎖奉告祭を組合の役職員が参加して熱田神宮の神主さんの
祝詞が読み上げられ厳かの中執り行われました。 |
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拝啓 春暖の候、皆様方にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、当組合は3月21日に開催しました解散総会での決議によりまして、31日付をもって解散することになりました。
当組合は昭和22年、戦後の復興に燃えた銘木業界の先人により組織されました愛知県銘木林産組合を全身に、同25年1月設立の協同組合に引き継がれて以来、およそ60年の長きにわたり、中京地区の銘木業界の要として、皆様に愛されてしました。
しかし昨今の時代の移り変わりは激しく、貴重な銘木資源の枯渇だけでなく、一般的な生活様式の洋風化により、住宅需要面でも厳しい環境を余儀なくされています。
当組合は全国有数の大型銘木市場として、銘木流通に果たしてきた役割は大きなものがあったものと自負しておりますが、こうした環境の変化により、組合事業として銘木市売業務を継続することは困難となり、やむなく協同組合を解散することとなった次第です。
長年にわたり市売事業を継続できましたのも、ひとえに組合員をはじめ行政官庁や多くの業界関係者の皆様のご支援の賜と、心から厚くお礼申し上げます。
当組合は解散いたしますが、自然素材である木材・銘木への関心は根強いものがあります。今後とも銘木の良さ、美しさを後世に伝えていく使命を忘れることなく、銘木業界発展のために努力を続ける覚悟であります。 |
愛知県銘木協同組合
理事長 丹羽照治 |
愛知県銘木協同組合 60年のあゆみ |
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