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変木丸太の種類 |
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桧錆丸太(ひのきさびまるた)
梅雨入り4〜5日前に伐採、皮をはいで林内に放置しておくと、雨にさらされてカビが自然繁殖して木肌に面白い色模様をつけることを利用したものである。カビの種類と繁殖の仕方で、色、図柄が異なるので、温度・湿度により製品に優劣の差ができる。仕上げられた製品は、紺・赤・黄の斑点が浮かび出て、独特の風情をかもしだす。出節部分を適当な節の高さできれいにカットする。 |
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アテ錆丸太(あてさびまるた)
アテ丸太を6月中旬に伐採し、アマ皮を残さないように皮を剥ぎ黒褐色の斑点状の錆を付けたものである。檜錆丸太と同様に、樹液を養分としてカビが発生するのを利用するため、気象条件に大きく左右される。根切後、皮を剥いで2〜3日は晴天が必要である。その後も、気温、湿度などの状態が進んでしまうと、真黒いベタ錆となり、錆丸太特有の斑点状の錆丸太にならない、約1カ月間、山に放置した後、寸法切りする。アテ錆丸太は、出節の状態になっているので、出節部分を適当な節の高さできれいにカットする。 |
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天然赤松(てんねんあかまつ)
主に床柱に使用される。床柱の中では格式の高い樹種とされている。茶室の床柱はとくによく使用される。ほとんどが広島方面の表皮の色のよいものを、業者が持ち帰り加工したものである。松は乾燥に時間を要するため、芯抜きといわれる背割を行なう。また鬼皮は1枚1枚はがし、防虫のため火入れを行なうなど、非常に加工手間のかかる商品である。伐採の時期、加工ともキャリアが要求され、本流の商品でないと安心して扱えない。
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香節(こぶし)
茶室建築になくてはならないもので、床柱、廻縁、竿縁、小舞に使用される。表面の皮を賞味するもので、伐採時期を誤ると皮がはがれてしまう。
高い山に生育していたもの程、表面の文様が美しい。 |
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椿(つばき)
茶室の床柱、中柱に用いられる。皮肌は堅く香節より細かい手ざわりである。量が少な茶室の床柱、中柱に用いられる。皮肌は堅く香節より細かい手ざわりである。量が少ない上、皮肌のよいもの、真直ぐな材が少ないので貴重である。 |
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榁(むろ)
茶室等の床柱や玄関などの飾り柱、壁止に使用されることが多い、主に能登半島方面で伐採されたものが、北山、吉野の加工業者の手によって、磨き丸太加工の技法を生かし加工される。シャレと磨き丸太の部分のからみがおもしろいとされ、変木類の代表的なものである。 |
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桜(さくら)
伐採した原木を半乾燥したものを、ガラス破片またはカキ(磨くための道具)で表面の荒皮を取り除く、その後ペーパーでムラなく磨き、ロー仕上げまたはニス仕上げをする。現在は、グラインダーにペーパーを取り付けて磨いている。 |
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百日紅(さるすべり)
百日紅丸太は11月頃から翌年の1月頃に切ったものが、虫が付きにくくよいものとされる、乾燥する場合、直射日光が1ヵ所だけに当たらないように、向きを変えてやると色ムラが少なくなる。 |
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躑躅(つつじ)
床柱用のさくらつつじは屋久島、奄美大島諸島で産する。さくらつつじは落葉性の低木で、通常は樹高が2〜3mで、そのため大木は珍木として珍重され、銘木となるさくらつつじは少なく床柱に使用できるのは珍しい。 |
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椎(しい)
しいの床柱はしいのもつ天然絞を生かした磨き加工によって生産され、その生産過程は、@原木の沸騰(2時間〜2時間半)A皮むきB砂洗いC天日乾燥D背割れE防腐処理G漂白F天乾等の過程を経て出荷される。椎絞の磨き加工は高知県の業者によって開発され、昭和40年代から50年代半ばに市場に出回っていたが、現在では床柱として椎絞加工はされておらず市場性を失っている。その意味では幻の銘木である。 |
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槙出節丸太(まきでぶしまるた)
伐採は9月の彼岸すぎから翌4月ごろまで行なう。枝の元を少し残して切り落とし、皮をむいて洗い、1週間して乾きかけたところで薬品でさび止めをし、背割り、1ヶ月の露天乾燥を経て製品となる。太い材は1対として門柱に利用され、細いものが床柱に利用される。また、玄関先のポーチ柱にも利用される。 |
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檜出節丸太(ひのきでぶしまるた)
ひのきは美しい木肌をもち、梢端の生節の多い部分を利用して飾り柱や門柱に利用される製造方法は槙出節丸太と同じである。 |
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