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同じような太さの丸太ではあるが左の丸太の方が年輪がつまっている。右の丸太は年輪があらい事がわかります。磨き丸太の条件として、年数を経た木で、直円・直幹・無節・木肌の艶が要求される。
磨き丸太は、床柱・ポーチ柱・棟木・霧除・手摺・長押・框・飾り柱・壁面・桁・面皮柱などに、寸法、等級に応じて使用される一番オーソドックスな商品である。また、人造絞丸太の原木としても使用される。
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磨丸太の製造技術
<育林技術について>
磨丸太は、そのほとんどが北山と吉野で生産されている。
育林技術としては、次のように年数に応じて行なわれる
1. すぐれた品種を、4月下旬〜5月下旬にさし木し、2年間畑で育てる。
2. 3年目の3月に植林する。成長の悪いものは、植林を1年間遅らせる。
3. 苗木が真直ぐに育つよう、添杭をする。
4. 植林後4〜8年くらいは、年に1〜2回の下刈を行なう。それ以後は、成長とともに回数を 減らしていく。
5. 6〜7年めで初めて枝打ちを行なう、その後3〜4年に1回の割で枝打ちが行なわれる。 枝打作業は製品となった磨丸太の品質を決定付けるもので、もっとも重要な過程である。鋭 利な鎌、鉈を高所で扱うため、作業には常に危険が伴う。
6. 20〜60年の間に、その目的に応じて伐採される。
20〜35年の間に伐採されることがもっとも多い。
<加工技術について>
加工技術としては、次のような要領で行なわれる。
1. 9〜10月に伐採された原木は、約1カ月現場で枝葉をつけたまま放置された後、3メート ル、4メートルという単位で玉切りされる。
2. 搬出については、20年前くらいまでは木馬(木そり)や人の方で行なわれたのが主であっ たが、現在では索道や小型発動機の付いた荷車、とくに不便な所からは、ヘリコブターなど によ って搬出される。
3. 皮剥は、木製のヘラ(杉の木のアテの部分で作られたもの)によって行なわれるが、伐採 日のタイミングによって、容易に剥れるものとそうでないものがある。最近では、皮剥の困難 な材は、水圧の力によって処理される。
4. 荒皮を剥いだ後、「こむき」と呼ばれる作業を行い、しぶ皮をとる。これには主に鎌の刃を 丸く改造した道具が用いられる。
5. こむき作業と平行して行なわれるのが背割である。背われは乾燥にともなって、材の表面 がヒワレするのを防ぐために実施されるもので、円鋸で丸太の芯まで割れ目を入れる、背割 の箇所は、丸太の木のそり具合いや、欠点のある場所を選んで行なわれるが、これを間違 うと、製品の販売価格に影響を及ぼす。
6. さらに背割を完全なものにするために、背割した部分に樫の木で作った矢を打ち込み、背 割の部分を広げ、檜で作ったくさびを打ち込む「矢入れ」作業を行なう。
7. 約一週間、直射日光のもとで表面を乾燥させ、磨丸太独特の白い色を出した後、カビ発 生の予防のためサビ止め剤を塗り、倉庫内で徐々に乾燥させる。最近では、乾燥機による 管理乾燥も行なわれている。
8. 最後の仕上げ加工である「磨き洗い」は、丸太の表面を傷付けないよう、角のとれた細か い砂で丹念に磨き上げられる。仕上りの色の悪い丸太には、漂白剤を用いて色を白くする が、木膚をいため艶がなくなるため、あまり好ましくない。
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