床框は床柱と共に座敷の形式や格調をよく表現し、意匠の基調となるものでその仕上や材料の組合せに最も工夫を要します。真の形式で正式な床の間の床框は「黒蝋色漆塗面取框」で畳床が本式とされ、行の形式の漆塗角框には黒うるみ朱塗、溜塗、木地溜塗、春慶塗、摺漆塗、変り塗などがあって、仕上は何れも半艶消しにした方が落着いた品位あるものになります。木地のまま使われるものには欅・栃・松・黒丹・紫檀・鉄刀木などがあります。
 床框の寸法は行の形式では成が本柱の10分の9、上端は框の成の10分の7、面の大きさは真角面(45度)の面ヅラで上下共框の成の10分の1位で、真の形式では行の寸法より5〜10%ほど大きくします。
 框見付を皮付丸太にした場合の寸法は、成は本柱の10分の9、上端の面は成の2分の1位が適当で、上端は木地溜塗・摺漆塗などに仕上げられます。見付丸太の上角と下角を垂直の位置に取付けると目の錯覚で下角が奥へ凹んで見えるのでこの錯覚を修正するために下角を上角より前へ出して取付けます。
蝋色本漆塗り(ろいろほんうるしぬり)
 床框の台となる材(桧・桂など)に布(寒冷沙)を張りその上に下地をつけ、
生漆を塗り重ねながら水研ぎを繰り返し、仕上げに黒蝋色漆を塗り重ね、表面を磨いて光沢を出したもの。
面皮蝋色漆塗り(めんかわろいろうるしぬり)
 面に杉磨丸太の皮を張り、他の部分を黒く塗ったもの
(けやき)
 心材は黄味がかった褐色から紅褐色。板目面、柾目面とも木理が明瞭で美しく、材の肌目は粗いが、磨くとよい光沢がでる。
黒丹(こくたん)
 産地はインドネシア・東南アジアなどに生息するカキノキ科の樹木
 心材は黒色と紅褐色が交互に現れて縦断面に美しい縞模様をあらわすために好まれる。
肥松(まつ)
 材質としては、心材は赤黄色を帯びた淡い褐色で肌目はあらく、樹脂分が多いためヤニツボが生じやすいが、くっきりとした力強い杢目で飴色の光沢をもつ。
花梨(かりん)
 産地は、タイ・ビルマ・インドネシアなど、心材は橙褐色、赤褐色から暗い褐色まで変化が大きい。肌目はややあらいが、表面仕上げは良好で、磨くと光沢をあらわす。
欅玉杢(けやきたまもく)
 年輪のつんだ大径木から装飾的な杢目がえられる。現在、玉杢の現れる
けやきがきわめて少なくなってきている。
床柱
磨き丸太(みがきまるた)
変木丸太(へんぼくまるた)
角柱(かくはしら)
落し掛け(おとしがけ)
床板(とこいた)
網代(あじろ)
矢羽根(やばね)
市松(いちまつ)
石畳(いしだたみ)
加工銘木
床の間部材(とこのまぶざい)
玄関部材(げんかんぶざい)
ウッド・ショップ
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