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床 の 間 |
床の間の構成としては、床柱・床框・落とし掛けなどからなる、いわゆる床・床脇・書院が挙げられる。それらがつくり出す床の間の構えには大きく分けて「真」「行」「草」という格式を用いてきました。書道の楷書・行書・草書にもその一例を見ます。楷書から始まって、いかに行書・草書へ崩していくかが基本的な流れで、床の間に関しても同じことがいえ、「真」の床の間は、格調高い角柱の書院造りの本床である。床柱に絞り丸太を使った本床でも「行」の構えの床の間となる。さらにもっとくだけた床には、皮付変木などの自然木を使って表現する「草」の床となる。近年どちらかと言えば、四角四面よりは、やさしくて自由型の床の間の表情も表れているようですが、古来からのきまり、納まりをふまえた床の間が最も大切ではないでしょうか。 |
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床 の 間 の 形 式 |
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本 床 [ほんどこ]
厳正な格式ある座敷の正面に配する本床の床柱は、造作材同質材か、それより上質材の面取りした角材を用いる。床框は黒蝋色漆塗りとし畳床となる。畳の代わりに地板を入れたものなどがある。 |
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琵 琶 床 [びわどこ]
床の間の一部に飾り棚風の地袋を造ったもので、板は一枚板を使うことが多い。下は地袋戸棚にするので、小襖の引違いまたはケンドン式にする。この棚に、琵琶を飾ったことから琵琶床と呼ばれるらしい。 |
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洞 床 [ほらどこ]
床の内部を、壁で塗りまわした床の間で、床の間前の一部に袖壁をつけて洞の形とする。床板は踏込み板とする。また、落し掛けなどは丸味をつけて塗りこんでしまう。 |
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蹴 込 み 床 [けこみどこ]
床框を用いいないで床板の小口をみせ、その下部へ蹴込み板をはめ込んだものである。蹴込み板は床板と同材を用いたり、板のかわりに磨き丸太・皮付き丸太・竹などをつかって変化を見せることもある。 |
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釣 床 [つりどこ]
室内の一隅に天井から床柱がわりの釣束を下げて、これに落し掛けを付けて、下がり壁をおさめた簡単な形式のもので、床は畳だけである。 |
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袋 床 [ふくろどこ]
床の間の前面の一部に袖壁を設けたもので、内部を地袋式の飾り棚にしたり、板だけの飾り板にすることもある。床框は付けるときもあり、蹴込み床にする場合や、地板だけの踏込み床にするなど、趣向によって自由である。 |
床まわりの木割り例 |
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床 脇 の 役 割 |
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床脇は昔は文房具や日常に使うて手回品、または武具などを置くため、実用的に設けられていたものですが、その後座敷飾りの場となって発達したものです。床を中心にして書院や縁側の反対の下座側に設けるのが普通ですが、意匠により床の両側に設けたり省略したりすることがある。
一文字棚一枚の簡単なものから地袋、違い棚、戸棚、天袋といろいろに組み合わせられ、その構成によってそれぞれ名称が付けられて約二百種ほどが「床脇の型」として古くから伝えられています。床飾りが簡素化された現代では、地袋だけか、またはそれに一文字棚か天袋が付け加えられる程度のものが好ましく、床脇の構成が余り複雑すぎるものは座敷が騒がしい感じとなり、かえって床飾りの邪魔になって落着きや、品位を失う恐れがあります。 |
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書 院 の 役 割 |
書院の木割り例 |
付書院(出書院ともいう)と平書院がある。付書院は昔の書院建築では実用的に明りの入る外部に面した室の隅文机を造付けにして天板の下は地袋や壁でなく、人が坐して膝が入るようになっていたもので、江戸時代に入ってから床脇と共に床の間に組込まれ座敷飾りとなったものです。天板の高さは、その起源が文机を造付けにしていたことから文机の高さ1尺1寸が基準となっています。 |
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